噛み合わせについて
噛み合わせが悪くなる原因は沢山ありますが、大きく分けると「先天的なもの」「後天的なもの」の2つがあります。
先天的な原因
先天的、つまり生まれつき噛みあわせが悪いという場合は、遺伝や歯の大きさ・数、舌の大きさの異常、全身疾患が原因となっていることが考えられます。
上顎前突
上顎が過剰に成長してしまう、または上顎と比較した時、科学が奥に引っ込んでしまっている状態のこと
下顎前突
下顎が大きい骨格のこと
叢生
八重歯など、歯がデコボコに生えてしまっている状態のこと
歯の転移
歯が正常な位置からずれてしまっていること
切端咬合
噛み合わせた時、上下の前歯先端がちょうど当たるような状態のこと
交叉咬合(クロスバイト)
顎が左右どちらかにずれ、噛み合せの中心がずれている状態のこと
後天的な原因
後天的に噛み合わせが悪いという場合は口呼吸、指しゃぶり、唇を噛むなどの悪癖や、顎の成長に影響を及ぼす病気や外傷が考えられます。
最初は小さな歪みでも、そのまま放置してしまったり、噛み合わせや顎の位置がずれた状態で他の歯の治療を行ったりすることで噛み合わせが悪くなることがあります。
また、噛み合わせ記録方法による技工物の誤差でも噛み合わせのズレが生じる場合があります。
これは咀嚼位と開閉口位の差が大きい方への対策を十分に取らなかったことや、治療用の椅子を倒した状態と日常生活の時の差が大きい方への配慮不足、材料がずれてしまい間違った位置で記録された場合などです。
さらに、近年では食生活の変化が危惧されています。
本来なら沢山噛むことで歯がすり減り、その人に合った噛み合わせが出来上がります。
しかし、柔らかい食べ物が多くなったことで現代人の噛む回数はどんどん減り、正常な噛み合わせを作り上げることができなくなってしまっているのです。
それにより様々な種類の不正咬合(悪い噛み合せ)が起きてしまっているのです。
噛み合わせが原因?こんな症状ありませんか?
- インプラント治療後、調子が悪い
- 詰め物・被せ物が取れたことが何度かある
- 親知らず以外の歯を抜歯した後、調子が悪い
- 何度も奥歯ばかりがむし歯になってしまう
- 前歯が痛み神経を取ったことがある
- 自分の歯やセラミックの被せ物などが欠けた、折れたことがある
- 矯正治療後、後戻りしてしまった
- 歯がグラグラする
- 食事の際、いつも左右どちらか片方だけで噛んでいる
- 顎を動かした時に音がする
- 歯科治療後に噛み合わせが変わったような違和感を感じたが慣れてしまった
- 前歯の位置が中心からずれている
上のような症状がある場合、細菌が原因の場合もありますが、噛み合わせや顎のずれが原因となっていることが考えられます。
噛み合わせが悪いと一部の歯にだけ大きな負担がかかってしまったり、本来力がそこまで加わらないはずの歯に異常な負担がかかってしまうことがあります。
人間の咬合力(噛む力)はとても大きなものです。噛み合わせのバランスが崩れてしまうとこのようにして歯や顎の関節、咀嚼筋に問題が起こってしまうことになるのです。
噛み合わせが悪いことで起こる主な症状
悪い噛み合わせはお口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼします。
例えば噛み合わせがずれると、首の筋肉の収縮バランスが崩れますが、それをきっかけにして頭部や咀嚼筋のバランスも崩れ、その結果、背骨が歪んだりというような症状を引き起こしてしまうのです。
顎関節症
顎が痛い、顎が鳴る、大きく口を開けることが出来ないなどの症状がある場合顎関節症の可能性があります。
口関連の症状
歯の痛み、舌の痛み、口が渇く、食べ物が飲み込みにくい、味覚異常などの症状が起こることがあります。
耳周辺の症状
耳鳴り、耳の痛み、めまい、難聴などの症状が起こることがあります。
不定愁訴
不定愁訴とはなんとなく体調が悪いと感じるが、原因がみつかないというような症状のことをいいます。不定愁訴には頭痛や腰痛、肩や首の凝りなどがあります。
今まで苦しんできた症状はもしかしたら噛み合わせのせいだったということも十分に考えられます。噛み合わせは簡単な調整を少し行っただけでも症状が改善されるという場合もあります。
噛み合わせに不安がある、不定愁訴など不調を感じているなどありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
噛み合わせの治療方法
噛み合わせ治療は少しずつ行います。
噛み合わせ治療は患者様のお口の中の全体のバランスを確認しながら少しずつ行っていきます。
むし歯のように悪いところを削ったりするわかりやすい治療ではありませんが、ほんの1本の歯の噛み合わせ治療を行っただけでも頭痛や腰痛、肩こりなどが改善するという場合もあります。
長い目で見る噛み合わせ治療
噛み合わせ治療はむし歯とは違い、短期間で何度も通院が必要になる治療ではなく、時間をかけて経過を見ながら長期的に行っていく治療です。
噛み合わせが低い部分には詰め物をして高さを調整したり、基本的には被せ物・詰め物を確認することでた正しい噛み合わせに導いていきます。むし歯治療とは違い、痛みを伴うことはありません。