およそ60年前の歯科事情
かつて日本における60年前は、むし歯がめちゃくちゃ多くあって大変な時期がありました。
つまりむし歯の洪水状態だったのです。
子どもたちはむし歯の痛み、歯科への恐怖心でいっぱいだったのです。
その後、歯科界のむし歯予防の取り組みと学校歯科健診制度の充実によって2019年以降12歳児のむし歯保有数は平均で1本を下回りました。
最近は乳幼児から高校生まで歯科健診では、むし歯の存在を見られなくなりました。
皆さんの歯の健康意識の向上で劇的な変化が起こった60年でした。
永久歯が変なところから生えてきた!
小学生から中学生にかけて乳歯から永久歯に生え変わりは活発におこなわれます。
それにともなって顔の形やアゴの骨も成長していきます。
しかし永久歯が変わった位置からでてきてしまうこともよくあることです。
歯は、もともと正しく綺麗な位置に出てくるわけではありません。
出てきた永久歯は頬の筋肉やくちびるの筋肉、あるいは舌の筋肉によって骨の中心に集められて綺麗に並んできます。
しかし条件が整わないと歯並びが悪くなってしまうのです。
生え変わりの時期は歯並び診断と噛み合わせ診断が大切です。
歯磨きの新常識
皆さんは毎日、最低一回は歯磨きをします。
小さい頃から歯のケアは生活習慣の一部となっています。
そこでよりむし歯予防効果の高いブラッシングについて次の3つのポイントを心がけてみてください。
①歯磨きペーストをつけた歯ブラシは水で濡らさず、そのまま磨いてください。
②歯ブラシはできるだけ優しく滑らせるように磨いてください。
③磨いた後はすぐにゆすがない、または少量の水でゆすいでください。
歯磨きペーストの有効成分を活用するために試してみてください。
滑舌が悪いと感じたら…
時にふと
しゃべりづらい…
滑舌が悪いと思ったら
口腔機能低下症の疑いがあります。
もしかしたら歯の治療も関係していることもあります。
日常生活におけるお口の機能のささいな変化を放置することは心身の活力の低下やストレスにつながっていきます。
口腔機能を検査して機能維持、改善に努めていきたいものです。
歯磨きペーストが進化がすごい!
既に一般に売られている歯磨きペーストもかなりむし歯予防効果は絶大なんです。
高濃度フッ素配合
高粘着ペースト
このようなキャッチコピーが書かれている商品を見かけませんか?
歯垢を歯ブラシと歯磨き剤で落とす時代ではなく…
歯垢が付きにくい状態にするのが今の歯磨きペーストなんです。
さらにはむし歯の原因となる酸を中性にする歯磨きペーストも出現!
もはやむし歯は過去の病気になりつつあるのですね。
知覚過敏って?
知覚過敏という言葉は、みなさんご存知でしょうか?
テレビCMでもよく耳にする機会もあるかと思います。
歯磨きや冷たい水などを口に入れた時、今の寒い時期は特に…
”ウ〜しみる〜”みたいなあれです。
実際のところ、原因はなに?
さまざまな意見はありますが、歯肉が下がって、歯根面が出てきたなどなど…
むし歯はないけどしみるのな〜ぜ?
毎日、歯を使って食べる時によく噛んでいる歯には知覚過敏つまり神経の炎症が起こりやすいのです。
保険証からマイナンバーカードへ
国は国家戦略としてデジタル化を進めるためにデジタル庁を設立して1年が経過しました。
医療現場もデジタル化推進の流れを大きく迫られています。
来年4月より原則、医療機関窓口では保険証は廃止され、マイナンバーカードによる提示が行われるようです。
医療機関では今年から順次マイナンバーカードによるオンライン資格確認カードリーダーの導入が進められております。
患者様ご自身も医療のDX化情報をご確認いただき、医療現場へのご理解を賜りたく宜しくお願いし致します。
歯が十分使えないと、学習・記憶能力が低下する!?
噛むこと”の大切さを教えてくれる、面白い実験結果がある。
老齢期のマウスの奥歯を削り取り、学習・記憶力を測定したところ、健全な歯を持つ老齢マウスに比べて、記憶力が5分の1ほどに低下したという。
さらに、削り取った歯を治療して“よく噛める”ようにしたところ、学習・記憶力が日ごとに回復していったというのだ。
また、歯を治すことで、記憶力などの重要な役割を果たす「海馬」の神経細胞も、8割方回復した。
よく噛む”ことは、脳の活性を向上させることが、この結果からも推察できる。
しかしながらよく噛むこと、噛む意識を持つのは私自身であることだと…
歯科健診の思い出
近年の小学校の歯科健診に行って感じることは、生徒の歯は、とてもいい歯でキレイで素晴らしいと思うことが多いです。
歯科健診の思い出を書いた、ある一節を読んで…
”きみの歯はいい歯だ!こんないい歯を今まで見たことがない”
”きみは、もっと丁寧に歯を磨けば真珠のように綺麗になるよ”
毎年言われる度に本当に気持ちがいいくらい嬉しかったのを覚えています。
今の子どもたちは、いい歯をもっているのでひとりひとりに言うことはできないけれど…
でも、たった一言で子どもたちが大人になってから自分はいい歯をもっているという自信が人生を変えるかもしれないと感じた。
歯科健診が子どもたちのこころの栄養になるように心がけたい。